シェイクスピア全集ファーストフォリオ

5年程前、丸善のシェイクスピア展で飾られていたこのシェイクスピア全集。
引き付けられるように手にして、定期預金を解約して思わず即購入してしまった私の宝物です。

それ以来、私はシェイクスピアの原文を読むとき、「戯曲全集」のこのファースト・フォリオを使用しています。
今から220年前に本国イギリスで出版されたものです。
オリジナルのファースト・フォリオ(1623年)の形式をそのままに活字を並べ、印刷した翻刻版の最初ものです。
活字が極めて鮮明で疲れず、シェイクスピア作品のなかに集中して入っていかれます。

『アントニーとクレオパトラ』は場面数が一番多い作品として知られていますが、場面の句切りが全くなく、
初めから終わりまで立て続けに書かれています。ここに収められている36作品中この作品だけです。

平澤智之